水野 安未吏
女性活躍推進プロジェクトメンバー
Project Story 02
女性活躍推進プロジェクト 対談インタビュー
女性のキャリアを途切れさせない会社を
つくるために、今、越えるべき壁がある。
Background

プロジェクトの背景

2010年、M&Aによりセカンドストリート事業がゲオグループに加わりました。以降、さまざまな変革が行われ、現在では、ゲオホールディングスの主要事業として全国に850店舗以上、海外に100店舗以上もの店舗網を持つ日本一のリユースチェーンへとその姿を変えました。社内では積極的な採用と組織改革が行われ、M&A以前とはまるで違う企業に変貌を遂げています。いわば、セカンドストリート事業は非常に若い、新進気鋭のベンチャー企業であるとも言えます。ただ、課題も表出しました。事業の成長エンジンとなった採用活動を通して会社に加わった女性社員の多くが、現在、結婚・出産・育児といったライフイベントと自らのキャリアの両立という課題に直面する時期を迎えています。この新たな問題を、どう乗り越えていくかが、今後のセカンドストリート事業のさらなる成長の鍵を握るかもしれません 。そこで、今後の女性活躍推進を担うD&I推進課と、店舗運営の現場から3人のメンバーを迎え、女性社員のキャリアの現状について語ってもらいました。

Member

プロジェクトメンバー

水野 安未吏
水野 安未吏
D&I推進課
Mgr

2015年新卒入社。入社後は店舗運営の現場で経験を積んだ後、人事部門に異動して採用や人事に関する業務を担当。2024年にD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)推進課へ異動。女性活躍推進プロジェクトを担当。

金子 瑞希
金子 瑞希
セカンドストリート
東浦和店
店長

2014年からアルバイトとしてセカンドストリートの店舗運営業務に従事し、2017年に中途入社。その後、現在までに埼玉エリアを中心に5店舗で店舗運営の経験を積む。現在は店長。

森 咲華
森 咲華
セカンドストリート
土浦大町店

2018年新卒入社。入社から現在まで7店舗でセカンドストリートの店舗運営の経験を積む。キャリアの中で店長も経験し、結婚を機にアシスタント・マネジャーとして働く道を選択。ゲオへの入社理由は、人の魅力に惹かれたから。

01

まずは、女性社員が声を上げやすい環境をつくること。

現在、D&I推進課の水野さんが中心となり、女性活躍推進のためのさまざまな取り組みを行っていると伺いました。まずは、こうした取り組みがスタートした背景や課題を教えてください。

水野

現在の社員の男女比率を見てみると、男性8割:女性2割なんです。数の論理をそのまま適用すると、女性社員がさまざまな声を上げやすい状態にあるかといえば、NOだと思います。仮に、どこかの現場に自らのキャリアに悩む女性社員がいて、何かしらの対策を求める声を上げたとしても、その声が影響力をもって全社的に受け止められるかといえば、そうは言いづらい状況です。そこで、まずは社内の目線をこうした問題に向けさせるために、女性社員を集めて集団の声として意見を発信する取り組みを始めました。現場でどんな課題があり、何を不安に思っているのかを、できるだけ多くの人に知ってもらいたいと考えたんです。

D&I推進課のミッションとして、数値的な目標もあるのでしょうか。

水野

具体的には、2030年までに女性管理職を30%にする数値目標を掲げています。そこに向けたさまざまな取り組みを、D&I推進課が中心となって進めています。

女性社員の意見を発信する取り組みとは、具体的にどのようなものですか?

水野

女性社員が、全社に向けた意見を発信できる状況をつくるために、女性キャリアデザイン研修を実施しています。まず第一に、こうした取り組みが始まっている事実を全社に発信することで、女性社員が直面しているキャリアの問題を、多くの人に知ってもらいたいと考えています。第二に、この研修に参加した女性社員に、自らの意見を周囲に発信するスキルを身につけてもらいたいと考えています。

この取り組みを通して嬉しい変化も起こりました。研修で学んだ知識やノウハウを自らが勤務する地区の女性社員にも広めようと、女性会議という取り組みを研修の参加者が企画を してくれたんです。同じ地域の女性社員を集めて積極的に情報共有が行われ、横のつながりを形成し、各々が抱えている悩みを共有し、仕事に対して新しい視点で取り組めるきっかけづくりが行われています。実はこの取り組みは、今日同席している森さん、金子さんが中心となり、自分が所属する県単位の規模で企画と開催を行ってくれました。

まずは、女性社員が声を上げやすい環境をつくること。
まずは、女性社員が声を上げやすい環境をつくること。
02

個人が直面するさまざまな形のライフステージに合わせて、
キャリアの選択肢を増やしたい。

現場の皆さんは、自分のこの先のキャリアについて、どんな不安を感じているのでしょうか。

私が勤務している地域だと、実は私よりキャリアが上の女性の先輩がすごく少ないんです。私は今30代で、既婚です。これから先は、出産や育児といったライフステージの変化とキャリアの両立を考える時期に来ています。ところが、これらの状況を経験した先輩は周囲に殆ど見当たらないんです。ある一定年齢から上の女性のキャリアがどうなっていくのか、想像でしか見えてこない。ロールモデルとなる前例が見当たらず、不安が大きくなっていました。

水野

女性社員のキャリア継続の課題に、ライフステージの変化があげられると思います。自分の周りで結婚や育児をしながら仕事も両立している方が近くにいれば、イメージもしやすいかと思いますが、どの部署においてもそれが当たり前にあるかと言えば、そうではない状況があります。会社にはライフステージの変化に備えて産休・育休・在宅・時短勤務などが制度としてあります。制度については内容に分かりづらさを感じているのか、利用したいけれども相談しづらいのか、利用までの手続きが面倒だと感じているのか、女性社員の皆さんがどこに阻害要因を感じられているのかを調査し改善を進めていきます。結果として、女性のキャリアを途切れさせない会社にしていきたいと考えています。

制度はたくさんあるけど、活用モデルになる先駆者がいなかったか、いたとしても広く知られていなかったんですね。

水野

全国的に見ればいるんですけど、やはり地域差があります。そのため、制度を活用してキャリアを継続させた先輩の話を聞く機会があまりにも少ない。だから、女性社員がもっと集まって情報交換する機会を増やそうとしています。

キャリアは継続させたい。でも、その先にある不安を払拭させる術が分からない、という状況でしょうか。

水野

私の一番やりたいことは、働き方の選択肢を増やすことです。キャリアを継続させるには、キャリアアップだけが選択肢ではないはずです。人によってライフステージはさまざまですから、仕事に多くの時間を割くことが可能な時期には、キャリアアップを目指して頑張ってもいい。でも、出産や育児の時期には子育てをメインにして、限られた時間の中で最大限できることに取り組むなど キャリアを途切れさせたくない時があってもいい。個々人が直面する多様な状況に合わせて、いろいろなキャリアを選択できる状態をつくりたいんです。

個人が直面するさまざまな形のライフステージに合わせて、働き方を選択しながら キャリアを継続させる未来をまだまだ見える化できていないのが現状 だと思います。だから、現場の一人一人が将来を考えた時に、漠然とした不安を抱えてしまうのだと考えます。

個人が直面するさまざまな形のライフステージに合わせて、キャリアの選択肢を増やしたい。
個人が直面するさまざまな形のライフステージに合わせて、キャリアの選択肢を増やしたい。
03

研修で学んだ知識を自分の周囲にも広めたくて、
女性会議という取り組みを企画。

女性キャリアデザイン研修といった取り組みに参加して、皆さんの中で変化はありましたか?

金子

私がこの研修に参加しようと思ったきっかけは、エリアマネジャーとの面談でした。面談の中で今後の自分のキャリアを話し合ったのですが、明確な答えを出せなかったんです。店長になって、結婚もして、30代になって、将来は子どもが欲しいと思っていますが、ワークライフバランスを両立させて働き続けることができるのか、漠然としていました。仕事は好きだし、続けたいと思っています。ただ、将来的に仕事と子育てを両立できるのか、考え出すと次々に不安が出てきてしまいました。

そんな時に女性キャリアデザイン研修があると聞いて、参加しました。すごくいい体験になりました。自分が勤務するエリアだけでは出会えなかった、いろいろな部署や店舗で働く女性社員と同じ悩みを共有できたんです。まず、自分と同じ悩みを持つ人がいると知っただけで、こんなにも安心するんだと思いました。その中で、子育てをしながら働いている方に、産休や育休を経てどんな形で仕事をしているのか、聞くことができました。

この場で学んだことを自分のエリアに持って帰ってアウトプットしたいと思いました。私が所属する埼玉エリアには、約20名の女性社員がいます。中には、自分と同じように悩んでいる人もいるはずです。彼女たちのためにできることはないかと考えて、女性会議という取り組みを立ち上げました。

女性会議は、金子さんの発案で立ち上げたのですね。

金子

はい。埼玉県の女性社員を集め、水野さんにも協力をしてもらって、開催しました。自分の周囲の新卒社員に話を聞くと、店舗に配属されてからは、同期入社の仲間以外に横のつながりがあまりないという話を聞いていたんです。そこで、女性社員のつながりを広げていくきっかけになればと考えて、発案しました。情報共有が活発になれば、不安を持つ方を減らせると思ったんです。

店舗勤務の中で、出産や子育てといったライフイベントとキャリアの両立を考えていく際に、どういった点がネックになるのでしょうか。

私は以前、店長として働いていたんです。ところが結婚後に、夫婦が二人とも忙しい生活を送るようになって、プライベートの時間をつくれなくて悩んでいた時期がありました。その時に、上司のエリアマネジャーに相談したんです。この先のキャリアと、プライベートでの出産や育児をどう考えていけばいいのか。その中で、店長という仕事はこの先もいつでもできる。でも出産や育児は、今しかできないかもしれない。だから一度、店長という役職から離れて社員が多い店舗で時短勤務という働き方を選択してみるという結論になったんです。それで、今は時短勤務をしています。

水野

特に 子どもが小さい時には、子育てにかかりきりになる時期があると思うんです。例えば店長をしながら子育ての両立が可能なのか、今のままの店長の役割で想定すると、現状は難しいかもしれない。やはり店舗の管理に大きく時間を取られてしまう役割ですから、仕事と子育てのバランスがとりにくい役職なのかなと個人的には考えます。

ただ、会社として「お子さんが小さい内は店長の役割を果たすことが難しい」と決めつけるのは良くないと思っています。中には、ご家族の協力を得ながら店長の仕事ができる人も、ケースとしてはいると思います。個人によって、状況はみんな違います。だからこそ、個人の状況に合わせたキャリアの選択肢があっていいはずなんです。

森さんのケースのように、上司と部下でキャリアを含めた話ができることはとても大事なことですし、その状況を当たり前にしていくべきだと考えます。

将来的に、仕事に多くの時間を割ける時期が来たら、もう一度店長に復帰する可能性もあるんですか?

そういう未来を選べるかもしれないとは、考えています。将来的に出産や子育てを経て、もう一度自分の働き方を考え直してもいい時期が来れば、新しいキャリアを選択したいと考えています。それに、私のような前例ができることで、多くの方に選択肢が一つ増えると素敵だなと思っています。

水野

森さんのケースのように、長いスパンでキャリアを捉えて、時短勤務の時期と、フルで働ける時期と、キャリアの中にもいろいろな時期があっていいと思います。個人によってたくさんの考えがあるので、その都度、話し合って決められる形をつくりたいです。

今、当社は2010年のセカンドストリートのM&A から数えて十数年が経ちました。その間に女性社員の数がどんどん増えて、ちょうど、20代後半から30代の女性社員が一番のボリュームゾーンになりました。女性が、ライフイベントとキャリアをどう両立させるか向き合い、乗り越えなきゃいけない時期です。ここで、いい前例をたくさんつくって、会社を変えていきたいんです。そうすれば、この先5年〜10経った頃にはもっといい会社になっているはずですし、そうしないといけないと考えます。

将来的に、これから入社してくるたくさんの社員の方がその年齢に差し掛かった時に、ロールモデルの選択肢が無数に増えている状況があるといいですね。

水野

未来の後輩たちが「あの人みたいな働き方の選択肢をとれば、自分のキャリアを継続できる」と安心して人生の時間を過ごせる場所になっていたい。そういう意味では、今の女性社員たちは、ここにいるメンバーも含めて開拓者なので、少し苦労をかけてしまうかもしれません。

ただ、今の状況をポジティブに捉えるとすると、女性活躍も挑戦の時期なので、「考えられることは何でもやってみて、うまくいかなければ変えてみる」のスタンスで女性社員の皆さんと一緒にさまざまなことにチャレンジしていきたいです。

研修で学んだ知識を自分の周囲にも広めたくて、女性会議という取り組みを企画。
研修で学んだ知識を自分の周囲にも広めたくて、女性会議という取り組みを企画。
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